長野電鉄から望む北信の山々

　長野電鉄は北アルプスから北信濃の山々まで広く望むことのできる望岳路線です。 長野県の北部（北信濃＝北信）に聳える５つの山、飯縄（いいずな）、戸隠、黒姫、妙高*、斑尾（まだらお）を北信五岳（ほくしんごがく）と呼びます。 長野電鉄の沿線から見た五岳を紹介します。
*：実際には妙高山は「北信」ではなく新潟県の山。

斑尾山

北信五岳は善光寺平（長野盆地）の西北部に連なっています。見える順番は場所により変化しますが、どの場所からも最も東北側に見える山が斑尾山です。 五岳の中で最も低い山ですが、距離的に近い北部では視覚的な高さは他の山にひけを取らなくなります。

妙高山

　妙高山は五岳の中で最も高い標高を誇ります。北信五岳と言いながら実は長野県ではなく、新潟県の山です。 新潟側では火打山、焼山とともに土地の名を取って頚城三山（くびきさんざん）と呼ばれます。 火打山については上の写真のように長野線の村山付近から望むことができます。 冬から早春にかけての真っ白な姿が印象的です。
　焼山は下の写真のように北須坂〜小布施付近で黒姫山と妙高山の間にドーム型の山頂が顔を見せます。

黒姫山

　黒姫山が独立峰としてもっとも美しく見えるのは須坂〜信州中野間です。 どっしりとしたコニーデ型火山で信濃富士の別名もあります。

戸隠山

　戸隠山は須坂付近では飯縄山に隠れていますが、現在は廃線となった屋代線を南下して大室辺りまでくると全容が見えてきます。 狭義の戸隠山は上の写真にある１ピークに過ぎませんが、広義の戸隠山は西岳から高妻山にまで屏風のように連なる広い範囲を指します。 一般に「北信五岳」と言う場合、高妻山は戸隠山に含まれています。
　高妻山は屋代線の大室以南では上の写真のように飯縄山の左側に美しいピラミッド型の姿で現れますが、 北須坂付近以北では下の写真のように飯縄山の右側に高妻と乙妻からなる台形に近い姿を見せています。

飯縄山

　飯縄山は善光寺平の最も広い範囲から見える山です。 松代より南では妙高と黒姫は飯縄山に隠れて見えなくなりますが、 その分、飯縄山が善光寺平の盟主のように堂々とした姿で聳えています。